ステップアップ講座「エベレスト街道トレッキング報告」2023 年 12 月 27 日~2024 年 1 月 6 日


NPO 法人千葉県森林インストラクター会
講座名:ステップアップ講座「エベレスト街道トレッキング報告」2023 年 12 月 27 日~2024 年 1 月 6 日
開催日時:2024年6月27日(木)19:15~21:10
開催場所:ZOOM によるオンライン形式       受講者:27名

活動概要

【活動概要】講師の坂本さんは退職を機にあこがれのヒマラヤ山脈、エベレスト街道のトレッキングツアーに参加されました。ルクラから日本人が経営するエベレストビューホテル、さらにクンデピークへの往復、6 日間のトレッキングの概要と街道沿いの自然、植生、人々の暮らしを紹介していただきました。

【エベレスト街道】ルクラからエベレスト BC へ向かうルート。古くはヒマラヤ山脈を越えたチベットとの交易ルートとして栄え、シェルパ族をはじめとする高地民族たちの生活道であった。1953 年にイギリス登山隊により初登頂がなされた後もエベレスト登山を目指す登山者は絶えずヒマラヤの登山の歴史と文化が根付いたネパール屈指の街道となっている。現在ではエベレストの登頂目的ではなく、トレッキングを楽しむ人たちが大勢訪れている。冬季でも 3000m位までは晴れれば昼間は下着に山シャツで歩ける。気温差が大きく夜は寒くなる。

【トレッキングの行程】
1 日目 カトマンズ→ルクラ(小型機) ルクラ(2840m)→パグディン(2610m) 4 時間
2 日目 パグディン→ナムチェバザール(3440m) 7 時間
3 日目 ナムチェバザール→エベレストビューホテル(3880m) パノラマ街道 4 時間
4 日目 クンデピーク(4200m)往復 5 時間
5 日目 エベレストビューホテル→パグディン 7 時間
6 日目 パグディン→ルクラ 3 時間

ヒマラヤゴヨウ

4000m~ 高山帯低木群落 森林限界となり、草原・ツツジやビャクシンの低木。
夏はお花畑ができるところもある。(放牧地)
3400m~ 亜高山帯針葉樹林 モミなどの針葉樹林 カンバ・シャクナゲ。村の近くはビャクシンが多い。放牧地には、けものみちが縦横につき、背の低いツツジ類が育つ。
2600m~ 乾燥マツ林 川沿いの斜面を中心にヒマラヤゴヨウが多い。ブータンの植生調査の資料には乾燥した谷にマツ(ブルーパイン)の森ができると記述される。
2000m~ 暖温帯照葉樹林上部 カルスなどの常緑のカシ類に落葉樹が混じる。谷の広いところは畑が広がり、麦や野菜(キャベツ・コマツナ・ダイコンなど)を栽培している。日本の支援によるリンゴ畑もみられる。国花ラリグラス(シャクナゲ)は 36 種もあり、春には美しい花が 2000m~4000mまでで見られる。
※日本の垂直分布と比較すると、エベレスト街道は夏緑樹林帯が無く、川沿いにヒマラヤゴヨウマツの林が広がる。

カルス
ゾッキョ
国鳥のダンフェ

【参加者アンケートの紹介】憧れのヒマラヤ街道でしたので、坂本さんの話はガイドブックとは違うリアリティがあって、とても面白かったです。分かり易いご説明で大変勉強になりました。観察眼が素晴らしいと感じました。ヒマラヤを旅した気分になりました。植生や文化など興味深いお話を聞けて勉強になりました。など好評でした。


講師 坂本 玲子


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