おすすめの図鑑


▶図鑑の選び方

図鑑には使い方で2タイプあります。「野外に持って行って調べる図鑑(フィールド、ポケット版)」と「自宅に帰って調べる図鑑」です。 目的に合わせて購入しましょう
また、生物の絵が写真なのか、スケッチ図なのか、また写真だけれど標本写真なのか、生態写真なのか。
それぞれメリットとデメリットがあるので自分の目的や好みで選ぶことになります。

▶図鑑で同定がうまくなるコツ

図鑑は、目の前にある生物の種名を調べる(同定)ときに使う書籍です。
初心者やアマチュアは、ぱらぱらと図鑑をめくって目の前にある生物と同じ写真(図)を
見つけるという俗にいう絵合わせで探します。
この時に生物の系統分類で、「目・科・属」のグループとしての形態の特徴を覚えておくのと、使っている図鑑のどのあたりにどのグループが載っているかを覚えていると、探すのが速くなります。
そのためには、暇をみては図鑑を広げて、グループの名前を憶えていきます。
さらに、野外で実際に生物が同定できたら、種名にマーカーを引き、その観察年月・場所を書き込むとマイ図鑑になり、気分はポケモンGOで楽しくなってきます。

   図鑑名         おすすめポイント
山渓ハンディ図鑑
「樹に咲く花①~③」
山と渓谷社
森林インストラクターなら持っておいた方がいいよとある講座で言われた図鑑。
その通り、何かの時は必ず開いている。同定のポイントとなる写真の種類が豊富で美しく、所々に類似種の見分け方の一覧表もある。また、「用途」と「名前の由来」もあり、読んでいて楽しい。
ただ残念な点は、「ハンディ図鑑」とうたっているがとても重くて野外には持って行くのは大変なことと、値段が高いこと。(羽根)
「帰化&外来植物 見分け方マニュアル 950種」
森昭彦 秀和システム(2020
通常の図鑑は一部を除き基本的には客観的ですが、この本は非常に主観的に熱く植物を語っています。
例えば、コバンソウの解説は下記の如し。
「その本領は“埋蔵金”になるところにある。ユニークな花の姿ばかりか枯れた姿もこよなく愛するのは世界共通。
~中略~ 乾燥状態で16年を経ても50%の種子が発芽能力を堅持していたというから、とんでもない埋蔵金が身のまわりに埋まっていることになる。~後略」 全体がこんな調子で、読み物としても楽しめます。 

関連する在来種の説明も詳しく、学術的にもしっかりしていてお勧めです。(樋口)
「植物分類表」大場秀章
アボック社(2009)
図鑑ではありません。遺伝子による分類の膨大なリストです。
残念ながらAPGⅡ準拠ですが、現状、日本産の維管束植物を網羅していて使いやすいのは本書のみ

付録に大場先生の「植物分類体系の変遷」という小論文があり、それだけでも値打ちがあります。(樋口)
「海辺の植物を観察しよ   う」野口昭造 他
千葉県中央博物館分館

海の博物館(2008)
勝浦の「海の博物館」ではいろいろなハンディ図鑑を発行しており、これもそのうちの1冊。
房総で見られる主な海浜植物の殆どが記載されており、千葉の海辺はこれ1冊でほぼ大丈夫。博物館に行けばもらえるほか、こちらからダウンロードできます。残念ながら索引はありません
(樋口)
最新版 街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本
秀和システム  
岩槻秀明
千葉県希少・外来生物リスト作成検討会植物分科会委員である著者は、わぴちゃんの愛称で知られ、植物のみならず天気についてSNSを通じて発信をしています。本書は、身近に観察できる草花を紹介していますが、著者の観察や最新の知見をとりいれ、植物を同定する際の細かな違いがよく分かる内容になっています(齊藤)
 
カヤツリグサ科入門』
谷城勝弘

全国農村教育協会
同定が難しいカヤツリグサ科の図鑑です。著者は千葉県を中心に活動されており、掲載されている写真の多くは県内で撮影されています。カラー写真がふんだんに使われているため同定がしやすいです。カヤツリグサ科植物を通してそのまわりの環境についても考えさせられる一冊です(齊藤)
『子どもと一緒に見つける草花さんぽ図鑑』
NPO法人自然観察大学

永岡書店
身近な草花を季節ごとに紹介した図鑑です。春夏秋冬で区切ってあるので、よく見かけるけれど名前はなにかな?と探すときにとても便利です。また、出合い度(見かけやすいかどうかの指標)のほか、見分けのポイントや草花にまつわる小話など楽しみ方のワンポイントアドバイスも(齊藤)
『実とタネキャラクター図鑑』
多田多恵子
誠文堂新光社
タネが楽しいキャラクターになって紹介されている図鑑。イラストも面白く、子ども達も漫画のように読めてしまいます(齊藤)
『ポケット図鑑なんでもハーブ284』
山下智道
文一総合出版
身のまわりにみつけた草花も実は貴重なハーブ!?ということで、身近な植物を用途別に紹介した本です。草花の効能や利用方法のほか、草花をつかった料理レシピがたくさんの写真とともに掲載されています(齊藤)
 
         図鑑名           おすすめポイント
「日本の地衣類~630種~」
山本好和  三恵社(2017)
副題が『「コケ」ウォッチングのための手引き 上級編』とあるとおり、なかなか手強い図鑑。
実際に使う場合、そこいらにある地衣類(らしきもの)と照らし合わせても簡単には同定には至りません。
しかし、日本産の地衣類の図鑑で簡単に入手できるものは今のところ本書だけ。(樋口)
「スタンダード版 新分類キノコ図鑑」
前川二太郎 北隆館(2021)
遺伝子による新分類で簡単に入手できるのは、今のところ本書だけ。(樋口)
    書籍名        おすすめポイント
ポケット図鑑
「日本の昆虫①~②」
文一総合出版
先輩に「どの昆虫図鑑がいいですか?」と聞いたらこの図鑑を勧めてくれた。小さいながら
種類数が多く、慣れたら野外ですぐ同定できる。親子の観察会の時は必携の図鑑 (羽根)
フィールドガイド
日本のチョウ

成文堂新光社
日本のチョウ全種の翅の表裏と雌雄の生態写真が素晴らしい。野外でのチョウの同定はこれ一冊で完璧だ。しかも写真がいっぱいなのに、値段がビックリするくらい安い (羽根)
「   書籍名    おすすめポイント

フィールドガイド
日本の野鳥

日本野鳥の会
「日本野鳥の会」というブランド名で迷わず購入した。
私が持っている図鑑で唯一のスケッチ図の図鑑。40年以上使っているが不満を感じたことはない(羽根) 
「カモ ハンドブック」
叶内拓哉
文一総合出版(2000)
カモは種数も少なく比較的識別しやすいので、野鳥観察入門に適しています。
この一冊があれば、冬の間に池や川で見られる雄の殆どを識別できるようになれると思います。
但し、雌を見分けるのは場数を踏まないと難しい。この図鑑はそのようは中上級者にも頼りになります。
(樋口)
『日本の野鳥650』
写真 真木広造 

解説–大西敏一、五百澤日丸
平凡社
写真の美しさが秀逸。野鳥撮影を多少ともかじったことが有る者ならば、その凄さを実感する内容です。
「類似種との識別」も記載されており、しっかり同定するのにも役立ちます(安武)
『ぱっと見分け観察を楽しむ 野鳥図鑑』
石田光史/著、樋口広芳/監修 

 ナツメ社
著者は野鳥フィールドガイドの第一人者。見分け方、面白い生態、観察場所と捜し方など、知りたいことがたっぷり詰まっていながら
小型で携帯性にも飛んだ優れた図鑑です(安武)

PAGE TOP