キノコ観察ヒント集


キノコはどこに生えているのでしょう? 
場所ごとに生えているキノコを見ていきましょう。
皆さんの身近でもきっと見つかります! 
色や形も様々で、ユニークに生きるキノコの不思議を楽しみましょう。

買い物や散歩で歩いている時、ちょっと地面に注意を向けてみてください。
土のある場所、街路樹の根元、街路樹の幹からキノコが生えていることがあります。
公園に行けば、芝生、草地、樹下、そして枯木、枯枝、落葉にキノコが見られます。
春の初めには、シイタケやマツタケと言った傘、ヒダや茎があるキノコとは違ったチャワンタケアミガサタケの仲間のような面白い形のキノコが発生します。

ツバキキンカクチャワンタケ

早春にツバキの花がたくさん落下している所に
5~10mm程度の茶色の皿状のキノコを
菌核から生じる。

アミガサダケ

春に路傍や畑地、果樹園などに出る。
傘とヒダはなく網目状の頭部と柄の部分から成る。
フランスではモリーユと呼ばれ食用として
人気があるが、生食すると中毒する。

ゴールデンウイークの頃には、梅や桜などのバラ科の樹下に春のイッポンシメジの仲間のウメハルシメジノイバラハルシメジなどのハルシメジ類がたくさん見られることがあります。

雨が多くなって来ると、芝生に色とりどりのキノコが見られるようになります。黄褐色のキノコはコガサタケの仲間、藍色のキノコはヒダが次第にピンク色になるコキイロウラベニタケ、棒状のキノコも生えてきて白いシロソウメンタケや紅いベニセンコウタケなどがよく見られます。
チップなどがあればフミヅキタの仲間やサケツバタケなども発生します。
また、木の切り株などにはアラゲキクラゲやアカキクラゲの仲間のツノマタタケも生えます。

コキイロウラベニタケ

初夏に芝生上に生える。緑に濃暗紫色の傘が目立つ。ヒダは次第にピンク色を帯びる。コキイロは濃き色のことで、濃い紫色を示す

ベニセンコウタケ

紅い棒状の小型のキノコで梅雨時、芝生などに生える。枝分かれせず、もろい

ツノマタタケ

橙黄色のゼラチン質のキノコで倒木や木の杭などに固まって生えるので目立つ。アカキクラゲの仲間

涼しくなって来ると畑地にハタケシメジ、街路樹にヤナギマツタケなど食用として栽培もされるキノコも見られます。柔らかいキノコの他に皮質や木質の硬いキノコが枯木や樹幹に見られます。
外国ではその表面の模様から七面鳥の尾と呼ばれるカワラタケが甍のように生え、鮮やかなオレンジ色が目立つヒイロタケなどが枯木に見られます。

  ヒイロタケ

  あざやかな朱紅色が目立つ硬いキノコ
  裏面は管孔で孔口は極めて微細
  広葉樹の枯れ木に普通にみられる。
  色素を染色に用いることもできる

雑木林に行ってみると、より多くの種類のキノコが見つけられます。
コナラやクヌギなどの樹下には地味ではありますが落葉や枯枝を分解するカレバタケやヒダが暗紫褐色になるイタチタケムササビタケなどがあり。暑くなって来ると、赤、緑、紫など色とりどりのベニタケ類チチタケ類、真っ赤な傘と白いツボのタマゴタケ、猛毒の真っ白なドクツルタケなどの目立つキノコが多いテングタケ類が発生し、キノコもにぎやかになってきます。
また。セップやポルチーニ茸としてヨーロッパで人気のヤマドリタケ類も多く出てきます。
この仲間はイグチ類と言って、傘の裏はヒダではなく網目やスポンジ状の孔になっています。
竹林では、変わった形のスッポンタケやレースを垂らすキヌガサタケなどが梅雨時から見られ、大型のカラカサタケやバレーボールのようなオニフスベなども生えます。

タマゴタケ

深紅色の傘と柄のオレンジと黄色のダンダラ模様が目立つキノコで、白い卵のようなような幼菌から傘と柄が伸びてくる。
西洋でも近似種が食用として人気がある。

テングタケダマシ

テングタケに似るが、傘の表面に残るツボの破片が尖るのが特徴。夏から秋にコナラなどの広葉樹と菌根を作ると考えられる。

ヤマドリタケモドキ

ヨーロッパではcèpe(セップ)やporcini(ポルチーニ)茸として良く食べられるヤマドリタケに類似していて、おいしいキノコである。傘の裏がヒダではなく管孔となっているイグチ類で、コナラなどと菌根を作る。

ノウタケ

初夏から秋に路傍や林内に生える。通常5~10㎝の淡黄褐色の卵型の頭部と短い基部から成る。背熟すると外皮は破れ、胞子を飛ばす。若いうちは食べられる。DNA分析でハラタケ科とされた。

コガネショウロタケ

鮮黄色の外皮の地下生菌で、基部はオレンジ色で、ミドリニガイグチなどに近縁とされている。
夏から秋に広葉樹の樹下に埋もれた形で発生する。

シイ、カシなどの照葉樹の林では、スダジイなどの古木の洞に春から梅雨時にかけてレバーのような赤いカンゾウタケが生えます。紫色のイグチでおいしいムラサキヤマドリタケが見られ、ベニタケチチタケ類も多い。千葉ではマツタケの発生の報告はないようですが、マツタケ臭のあるバカマツタケが取れます。

カンゾウタケ

春から初夏にシイの根際の洞などに生える
生レバーのような濃紅色のキノコ。
管孔はそれぞれが独立する。
食用となり、フランスではlangue-de-boeuf(牛の舌)と
呼ばれ食べられている。

【 マツ林 】
春ごろから海岸の若いクロマツの樹下に半地下生のショウロが顔を出します。
初夏からはハツタケが、イグチの仲間で裏が網状のアミタケが見られます。
この三種類は房総の食用キノコ御三家と言われています。
また、ヌメリイグチチチアワタケの群生も見られます。

チチアワタケ

傘は黄褐色から栗色で粘性がある。
傘裏の黄色い管孔から黄白色の乳液を分泌。
夏から秋にアカマツクロマツなど二針用のマツの樹下に生える。
軽い消化器系の中毒を起こすことがある。

【 スギ・ヒノキ林】
スギやヒノキの林はキノコは少ないが、スギエダタケヒノキオチバタケなどの枯枝を分解するキノコや、大きくておいしいオオイチョウタケが発生することもあります。

ブナ、ミズナラ林はキノコの宝庫です。東北などの山に入る機会があればキノコを是非探してみてください。お馴染みのナメコがブナの倒木に群生し、ヒラタケサクラシメジ、ナラタケ、チチタケなど優秀な食用菌が多く見られます。ムキタケも発生しますが、毒キノコの代表格でもあるツキヨタケも大変多いものです。
硬いキノコでは馬の蹄形をした大小2形を持つツリガネタケも多く見られます。

天然のキノコは風味もよく、おいしいものも多くあり、キノコ狩りを楽しむ方もいますが
致死的な毒のあるキノコもあり、気を付ける必要があります。

下記のようなキノコ全般に当てはまる毒キノコの見分け方はありません。

・茎が縦に裂けるキノコは食べられる

・色が地味なキノコは食べられ、派手な色の キノコは毒

・ナスと煮れば食べられる

・ナメクジや虫がたべているキノコは食べられる

これらの多くの間違った言い伝えを信じることなく、毒キノコを確実に見分けなければ
安全にキノコを食べることはできません。
また、古くなったキノコは避け、新鮮なキノコを選び、どのような食用キノコも加熱して
食べることが必要です。

近年発生が多く見られるブナ科の樹木の根際付近に見られる。キノコは円柱形やトサカ状、手指状で、帯橙色の赤色。極めて毒性が高く、食すると胃腸系や神経系の症状が現れ、死に至る。皮膚刺激性もあるため、汁を皮膚に付けない。菌寄生菌と言われている。

初夏から夏に路傍、畑、もみ殻など腐食の多い地上に生えるやや大形のキノコ。緑色を帯びる。
熱帯性のキノコで、南西日本に多かったが、今では関東でもごく普通に見られる。毒キノコで激しい胃腸系の中毒を起こす。

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