マテバシイ


NPO法人千葉県森林インストラクター会
    種 名
マテバシイ (ブナ科 マテバシイ属) 

    漢字名
 馬刀葉椎

  
ナガジイ、マテバガシ、マテガシ
マタジイ、他

    英 名
Japanese stone oak 

 
Lithocarpus edulis (Makino) Nakai 

    樹木区分
常緑高木

     

森林インストラクターの一口メモ
 ・和名マテバシイの語源には諸説があり、シイより味が落ちるが「待てばシイの実のようにうまい実がなる」という意味とも言わ
  れるが、はっきりしない。「待てば美味しい」 だが、最も美味しいのは、スダジイ。
・マテバシイは葉がマテガイの形に似るからと言われるが、九州や千葉県ではマテジイの名も広く、シイよりも細長い果実がマテ
  ガイに類似し、葉も果実もマテガイを思わせるので付けられたと言われる。
・潮風に耐え、防風林とする。また公害にも強く、都市の緑化樹としてよく用いられる。
・学名Pasania edulis の edulis は英語の edible に相当するラテン語で、「食べられる」の意味。
・松浦市鷹島では、マテバシイを原料にした焼酎が製造されている。
・千葉ポートパークではマテバシイが多く植樹され、30年経過し防風林の役割も果たしている。
・千葉ではトウジイとも言われる。


<分布状況>

( 千葉県レッドデータブック ― )
千葉県 
南房総市烏場山、鴨川市に純林が見られる。
全国
日本固有種で本州の房総半島の南端、紀伊半島、九州。
<生息地・生息環境>
温暖な沿岸地に自生だが、ほとんど植栽されたものが多い。

<特 徴>
  • 幹は暗褐青灰色、滑らか、若枝は無毛。雌雄同株。
  • 葉は互生、楕円形で全縁。厚く平滑で、光沢がある。
  • 花は、黄褐色の10cm程度の雌雄花穂を結ぶ。雄花は皿状の花被から長い12本の雄蕊が突き出る。
  • 雌花は三つに分かれた雌蕊がある。
  • ドングリは長さ 2~3cm にもなる。沖縄まで含めるとオキナワウラジロガシが最大でその次の大きさ。
  • 花の時期:5~6月頃、黄褐色の 10cm 程度の雌雄花穂を結ぶ。
  • 果実の時期:開花後翌年の秋
<類似種・一緒に覚えたい樹木>
タブノキ

<見分け方>
常緑で葉が大きい。鋸歯がない。ドングリの形状がピストルの弾に似ている。タブの葉と似ているが、タブノキの葉柄はマテバシイよりもやや長い。葉裏の色は、マテバシイは茶色っぽいが、タブノキは白っぽい。マテバシイの葉柄の付け根は丸く膨らむが、タブノキは膨らみがない。
<利 用> 
  • 建築材・器具材。街路樹、防風樹、防火樹。
  • 実はタンニンをあまり含まないため、アク抜きを必要とせず、そのまま炒って食用になる。粉状に粉砕してクッキーの生地に混ぜて「縄文時代のクッキー」として味わうこともできる。
  • 代表的なクラフトの材料。

マテバシイの樹皮
マテバシイの葉
マテバシイのクラフト
マテバシイのクラフト
作成者:松島 学
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