Albizia julibrissin Durazz.
ネムの花として多くの人に知られている、房状の花は実は雄しべの花糸。群馬の田舎では七夕(月遅れの8月7日)の朝に、ネムノキの朝露で顔を洗うと美人になるという言い伝えがあった。美しい「花」とあいまって懐かしい花と偲ばれる。(宮崎)
美智子上皇后作詞の「ねむの木の子守唄」の歌詞のとおり夕方から夜に眠るように葉を閉じます。光量のみに対する反応かと思い、切り枝を押入れに入れて行った実験では、押入れの中で一日中暗いのに朝になると葉が開き、夕方になると閉じたので、体内時計を持っているのではないかと推察されます。(竹内)
千葉県
県内全域
全国
本州、四国、九州。
原野や川岸などに植生する。
- 偶数羽状複葉の羽片が対生。下面は粉白色。夜間には相対する葉が合わさる。
- 花は 6~7 月。枝の先に 10~20 個の小さな花がつく頭状花序。花は夕方から開花する。途中の休みを入れ、別の花が 9 月頃から咲く。梅雨時に咲く淡いピンクの「花」は大変美しいが、花に見えるのは、糸状の雄しべ。
- さや状の豆果の中に 1~1.5㎝の楕円形の種ができる。
- 根に根粒菌を持ち、空中窒素を固定できるため、肥料分の少ない土地でもよく育ち、先駆植物となる。
- 肥料木として土地を肥やす樹木でもある。
- 葉が出るのが遅く、他の木々が葉を広げてから、芽吹きが始まる。
サカキ、ハマヒサカキ、ヒメヒサカキ
- 庭や公園の植栽に用いる。害虫駆除や、タンニンを含む樹皮は打ち身の薬としても使われる。
ネムノキの花と葉(千葉ポートパーク)
葉を閉じて眠るように咲いているネムノキ
ネムノキの葉
ネムノキの葉は複葉と呼ばれていて、この写真に写っている全体で1枚の葉です。鳥の羽のようなパターンが2回繰り返されるので「2回羽状複葉」と呼ばれています。
複葉は葉が出る時に全体が一度に出てきて、全体が大きくなっていきます。それぞれが別の葉のように見えますが、葉柄(葉の茎)から葉の先端までの間に後から新しい葉が出ることはありません。(竹内)
作成者:竹内
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