NPO法人千葉県森林インストラクター会
種 名
漢字名
鹿子の木
別 名
英 名
学 名
樹木区分
常緑高木

森林インストラクターの一口メモ
樹皮が暗褐色で、鱗状に剥げ落ち、跡が灰白色のまだら模様ができるのが特徴。この模様が鹿の子模様に似ていることで、漢字名がある。東大演習林で初めて見たのだが、最初は恥ずかしい話、「鹿子の木」ではなく「籠の木」で、樹形に特徴があるのかと思って観察していた… (上谷)
カゴノキは漢字名にあるように「鹿子の木」でシカの子供の体毛に白い斑点が目立ち(大人でも斑点のある個体もいるようです)、その姿から名づけられました。在原業平がモデルとされている伊勢物語の東下りに『時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ』と歌われています。富士山に点々と残っていた雪渓がシカの子の白い斑点のように見えてこの歌が詠まれたと思います。カゴノキの樹幹をみるとこの歌を思い出します。(竹内)
<分布状況>
( 千葉県レッドデータブック ― )
千葉県
南部を中心に分布が限られているか、生育が少ない。
全国
関東~九州。
<生息地・生息環境>
暖地のタブノ 林、シイ林、 シ林に混生する。乾燥した山腹の斜面に純林を形成することもある。
<特 徴>
- 樹高は20m以上になる。
- 葉は互生し、長さ8~15㎝、幅2~4㎝の長楕円形。全縁。若枝や葉柄に褐色の毛があるのが特徴。
- シの葉に似ているが、芽を上から見ると、 シ類が五角形、シイ類は楕円形、そしてクスノ 科は円形となっていることで区別する。
- 花期は 8~9 月。雌雄異株。葉のわきに、淡い黄色の花が集まって咲く。花序は無柄。翌年の夏過ぎに、枝に群がるように着く1㎝弱の赤く熟した楕円形の球果が特徴的。
<類似種・一緒に覚えたい樹木>
バリバリノキ
<見分け方>
バリバリノキ は千葉県以西の暖地に分布する常緑高木。葉は互生し、長さ20㎝前後、幅2㎝ほどの長披針形の葉身で、葉先が長く鋭尖している。質の硬い葉が触れ合うときの音から和名がある。果実は楕円形で、翌年の6月頃に黒く熟す。
<利 用>
- 材は心材が赤褐色で重硬。器具材、細工物に利用。


作成者:上谷・竹内
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