NPO法人千葉県森林インストラクター会
種 名
漢字名
隠蓑
別 名
英 名
学 名
樹木区分
常緑亜高木

森林インストラクターの一口メモ
名前の由来は、伝説で鬼や天狗の持ち物とされた、身につけると姿を隠すことができるという蓑の形から。(木下)
葉の形が蓑(みの)に似ている物が多いが、蓑のようにきれいに3つに分かれていず、丸くなっている葉や分かれ方が中途半端な葉もかなり多いです。私は以前はこの現象は歳を取る(年数が経つ)と丸くなる、だから我々人間も「年齢を重ねたらカクレミノを見習って丸くならなければね」と説明していましたが、その後、下の方の葉に光が当たりやすくするため上の方の葉は分かれた葉になるとの説を知り、なるほどと思いました。が、その後、いろいろ観察してみると必ずしもそうなっていない場合も多いことに気づきました。ということで、葉の形が違っている理由は諸説あります。と最後に付け加えるようになりました。(竹内)
<分布状況>
( 千葉県レッドデータブック ― )
千葉県
県内全域に自生。
全国
千葉以西の本州、四国、九州、沖縄。
<生息地・生息環境>
暖地の沿海地。
<特 徴>
- 樹高7m程度。
- 皮目のある茶褐色~薄灰白色の樹皮。若枝は緑色をしている。暗い所でもよく育つ。
- 葉は全縁の分裂葉で2~3裂の浅裂をし、蓑に似た形をしている。成木では、切れ込みがない全縁葉が混在するようになるが、稚樹では逆に深い切れ込みの入る葉が多い。枝先に互生する。
- 花期は6~8月。黄緑色で5弁の小花が集まり、ボール状になった散形花序が咲く。
- 果実は長さ1cmくらいの広楕円形で、花柱が残る。熟すと黒紫色。
- 樹液中に漆の成分と同じウルシオールを含むため、かぶれることがあるので注意が必要。
<類似種・一緒に覚えたい樹木>
ヤツデ
<見分け方>
葉形が特徴的ですぐ見わけられるが、同じウコギ科の仲間で花序の付き方が良く似ている。
<利 用>
- 庭木、公園樹。神社にも良く植えられている。
- 葉の先が三つあるいは五つに裂けたものは、神にお供え物をするときや、「新嘗祭」の宮中儀式で酒や飯を盛り入れる器として使われた(三角柏)。
- 樹液を黄漆と称して漆の代用とし、家具の塗料とした。


作成者:木下・竹内
★参考文献 都会の木の花図鑑(石井誠治 著)、葉で見わける樹木増補改訂版(林将之 著)、樹木の見分け方ポイント図鑑
(林弥 総監修)、日本の樹木(林弥 編)、千葉県の自然誌 別編4
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