早春に、山中にまだ花が無いころ、点々と黄色の花をつけるアブラチャンを見つけると気分が高揚する。真偽はともかく、以前インストラクターの講習会で、講師の方からヤマネがアブラチャンの実が好きだという話を聞いた。ヤマネがアブラチャンのアロマテラピーで冬眠をしている様を想像するとますますアブラチャンがいとおしく思える。
千葉県
県内全域に点々と分布。
全国
本州、日本海側に多い。
山中のやや湿ったところ、沢沿いに生育する。
- 落葉低木。ひこばえが良く出て、株立ちの樹形となる。大きいものは高さ6m、直径15㎝に達する。若い枝は緑色で無毛。次年度は灰白色。葉は互生。形は卵型から楕円形で先がとがっている。
- 葉をちぎると良い香りがする。葉柄は赤みを帯びる。
- 果実や、木皮に油を多くふくみ生木でもよく燃える。名前の由来もこの特徴からきている。漢字表記の、瀝青(れきせい)はチャンとも言い、天然に産するアスファルトや原油などをさす。雌雄異株。
- 春先、葉が出る前に淡い黄色で直径5mm位の花をつける。また9~10月頃に、直径15mm位の大きさの、緑褐色の丸い実をつける。
ダンコウバイ
新芽が開く前に黄色い花が両種とも咲くが、花芽に柄がついているほうが、アブラチャン。ダンコウバイは花芽に柄がなく、アブラチャンより大きくぼってりしている。
- 油を多く含むことから、かつては果実の樹皮を燃やして、灯火として利用した。また、枝は粘りがあって油分が多いため、 ンジ の材料にも使われた。
アブラチャン花
エノキ(千葉里山センター)
アブラチャン実
作成者:宮崎 菊江 高橋 和枝
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