アオギリ


NPO法人千葉県森林インストラクター会
    種 名
アオギリ(アオイ科 アオギリ属) 

    漢字名
 青桐

  
アオノ

    英 名
Phoenix tree

 
Firmiana simplex

    樹木区分
落葉高木

     

森林インストラクターの一口メモ
 中国では吉兆をもたらす瑞鳥鳳凰はアオギリの林に棲んでいるとされ、これが日本では リと鳳凰の組み合わせになった。アオギリは三大美肌樹の一つである(シラカバ、ヒメシャラ、アオギリ)。キリの名前をもつ樹木は多いが、キリ(ノウカンスゲ科)とは科および性質も異なる。 
イイギリ(飯桐)…イイギリ科の高木で、雌雄異株。果実は丸く、ナンテンの実に似ており、秋に赤く熟す。
ハリギリ(刺桐)…ウコギ科の高木で、雌雄同株。幹や枝に多くのトゲをもっている。
アブラギリ(油桐)…トウダイグサ科の高木で、雌雄異株、果実に3~4個の種子を含み、圧搾して桐油をとり、油紙、合羽紙、ちょうちんなどに使う。(植沢)
 桐一葉落ちて天下の秋を知る・・「淮南子(えなんじ)」説山訓のこの桐とはアオギリのこととされているようです。落葉が早いアオギリの葉が1枚落ちるのを見て、秋の来たことを知るとの意味で、わずかな前触れから将来の大きな動きを予知できることのたとえとのことです。(出展:デジタル大辞泉) 。察しが良いことは素晴らしいと思いますが、疲れますね。

<分布状況>

( 千葉県レッドデータブック ― )

千葉県

全国
奄美大島・沖縄・台湾・中国南部

<生息地・生息環境>
伊豆・紀伊半島、四国、九州などの暖かい地方の沿岸地に自生している。陽樹で、十分に日のあたる肥沃な土地を好む。

<特 徴>
  • 枝や幹が緑色で葉が リに似ているのでアオギリの名がある。緑色の幹でも光合成をしている。
  • 奄美大島より南に自生するが、耐寒性があり、江戸時代から暖地に植えられ野生化している。伊豆下田の白浜神社にある青桐樹林は国の天然記念物。
  • 秋舟形の果実が割れ縁に直径5cmほどのエンドウマメのような丸い種がつく。(ボートに乗った種子)
  • 花の時期:5~6月   果実の時期:9~10月(灰褐色に熟す)   葉は互生    雌雄同株
<類似種・一緒に覚えたい樹木>
エゾエノ キ

<見分け方>




<利 用> 
  • 剪定にもよく耐えるので、庭園、公園、街路樹、緑陰樹に適している。材は軽軟で割裂し易いが、狂い易く、耐久性も低いため、特別の用途はない。樹皮繊維は強靱で、織物、縄、網の原料になる。樹皮には粘質物が含まれており、水に浸し製紙糊料や洗髪料とした。包装材、パルプ用材としても用いられる。   種子は炒ると食べられる。戦時中は粉にしてコーヒーの代用とした。

アオギリの実
アオギリの実
アオギリ(冬芽と樹皮)
アオギリ実と葉
作成者:竹内
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