緑を楽しむ講座 柏 水の街 木下のリバーサイドを歩こう~「木下河岸跡」界隈から万葉公園へ~


NPO 法人千葉県森林インストラクター会
講座名:緑を楽しむ講座 柏 水の街 木下のリバーサイドを歩こう~「木下河岸跡」界隈から万葉公園へ~
開催日時:2024年 9月 28日(土)10:00~14:30
開催場所: 木下地区(印西市)    受講者:22名

活動概要

“印西市は水に囲まれたところ。西に手賀沼、東に印旛沼、北に利根川が流れています。この印西市の北に位置する木下(きおろし)地区にはさらに六軒川と弁天川という川が流れ、まさに水の街。初秋の木下のリバーサイドを、水にまつわる歴史を訪ねながら歩きました。
江戸時代の利根川の瀬替えや干拓事業により、何度も水害に苦しめられた歴史がある一方で、利根川がもたらした水運で繁栄した時代のことなど、町の様子や人々の暮らしにも思いをはせてみました。

木下駅の掲示板 (今日のコースは赤の破線ではありません)
赤松宗旦の『木下河岸三社詣出舟之圖』(木下駅掲示)
弁天川沿い
手前は六軒川、奥は利根川


六軒厳島神社を経由して利根水郷ラインを横切り利根川土手に上がると、目の前には雄大な利根の流れが。皆さんからは思わず声が上がりました。
江戸時代、ここには江戸の町へ大量の物資を運ぶために、銚子や東北方面と江戸を結ぶ重要な交通の結節点、木下河岸が置かれていました。
江戸の町へはここから陸路で行徳へ向かうのが最短ルートだったのです。
米俵や木材を満載した高瀬舟や、鹿島神宮・香取神宮・息栖神社の三社詣でに向かう木下茶船、年間1万7千人以上の乗船客、河岸で働く人々…どんなに賑わっていたことでしょう。
ところが今は「木下河岸跡」と書かれた看板があるのみ。
当時の絵図や、今の風景から想像する河岸の様子を説明し、さらには「利根の川風袂に入れて~」と浪曲まで披露して、スタッフ皆で何とか江戸時代を再現しようと熱が入りました。

土手の上で
高瀬舟(木下駅掲示)
河岸の名残り


土手から降りて河岸の問屋だった吉岡家へ。栄えていた時代を物語る大きな貝化石灯篭などを見学しました。
貝化石は木下貝層から掘り出されたもの。木下貝層は約12万年前、この辺りが浅い海だった頃に形成された貝化石を大量に含む地層で、今は万葉公園で見ることができます。
そして最後に、河岸から江戸へ向かう「木下街道」のスタート地点近くで道しるべを確認し、駅へ向かいました。
歴史を追う一日となりましたが、旧武蔵屋店舗のご主人が、河岸で営んでいた旅籠を維持し続けるご苦労などをお話して下さる等、今の課題にも気づかされた講座になりました。

吉岡家の庭にある三本足の貝化石灯篭
ギンドロ 葉裏や葉柄は銀白色の綿毛に覆われている
「木下貝層の貝化石群」は「千葉県の石」の1つに選定されている
庚申塔には道標が刻まれていることが多い


チーフ講師:髙橋 美由紀、アシスタント講師:加藤 俊雄


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