昆虫観察ヒント集


虫は何処にいるかな?・・・花を探す、木の枝や葉の裏を見る、樹液を探す、地面の穴を探す、地面を歩いている虫もいます。
虫が好きな花や木を知っていれば昆虫を探す大きなヒントになります。
昆虫を見つけたら何をしているか良く観察してみましょう!
見て触れて観察すると新しい発見があり、虫を探すのが楽しくなります。
観察の準備をして虫探しに出かけましょう!

観察グッズ・・・観察ケース(透明な容器)・虫めがね・捕虫網・図鑑

・服装・・・長袖・長ズボン・帽子・水筒(夏~秋はスズメバチの活動が活発になるので、森の中では黒い衣服は避ける)

・捕虫網の使い方・・・止まっているトンボやチョウなどを見つけたらうしろからそっと近づき、網の中に入ったら網をねじって逃げられないようにする。捕まえたら透明の入れ物に入れてよく観察してみよう。

・観察のマナー・・・県民の森など採集禁止の所もあるので注意が必要。観察する際に木を傷つけたり折ったりしない。
観察したら元居た場所に戻してあげる。
昆虫が安心して暮らせるよう自然を大切にしよう。

・千葉県内の昆虫観察フィールド・・大町自然観察園(市川市)・船橋県民の森(船橋市)・内浦山県民の森(鴨川市)・清和県民の森(君津市)・東庄県民の森(香取郡)・岡発戸谷津(我孫子市)・21世紀の森と広場(松戸市)など                 

最も昆虫が活発に動き沢山の昆虫が観察できるシーズンは初夏から夏にかけての5月~9月になりますが
それ以外の季節でも、その季節ならではの昆虫観察ができます。
季節ごとの昆虫観察を楽しんでみましょう。

3月の啓蟄の頃には、冬眠から目覚めた虫たちが動きはじめます。テントウムシも活動をはじめます。4月から6月は色とりどりの花にチョウやミツバチ、コウチュウの仲間の昆虫がやってきます。

春の植物上でも虫のつながりが見られます。赤紫色の可愛い花を咲かせるカラスノエンドウには葉の付け根に蜜腺があり、その蜜を求めてアブラムシがやって来ます。そのアブラムシがお尻から出す甘露を求めてアリがやって来ます。そしてアブラムシを食べにテントウムシもやって来ます。
そこでアブラムシを守るため、アリはテントウムシを撃退するのです。春の暖かい日にじっくり観察してみるのも楽しい時間です。

ベニシジミ

子供たちの好きなカブトムシやクワガタ、アゲハチョウ、オニヤンマなども見られます。
公園のベンチの下で雨のあたらない地面にはアリジゴクの穴が見つかるかもしれません。
サンショウの木のそばをナミアゲハが飛んでいたら産卵に来た可能性もあります。
6月初めにはゲンジボタルが、7月にはヘイケボタルの優雅な光も楽しめます。
ホタルの雄は雌の近くを一生懸命飛んで光をピカッピカッと何回か美しく発光させ
プロポーズします。雌は葉の上に止まりピカッと1回光りを返した場合はOKのサインで
カップルとなり次世代を残す事ができます。
ホタルの綺麗な光は雄の努力の賜物といえるでしょう。
夏の終わり頃になると、雑木林や森の中でヒグラシの合唱が賑やかになります。

オニヤンマ

                  

草地にはコオロギの鳴き声が聞こえ、草地を歩くとバッタやキリギリスがたくさん飛び出してきます。カマキリは肉食昆虫で交尾しようと近づいたオスがメスに食べられてしまう事もあり,オスにとっては命がけのプロポーズですが、カマキリの顔を良く見ると愛嬌のある顔をしています。噛まれる事もあるし、前あしの鎌に挟まれるととても痛いので、捕まえる時は前あしが動かないように付け根を持つのがポイントです。又、夏を涼しい山で過ごしていたアキアカネも見られるようになります。

アキアカネ

                     

越冬する昆虫を探してみよう。カマキリの卵や、チョウの蛹、集団で越冬するテントウムシは樹名板の裏で体を寄せ合っている事もあります。
ウラギンシジミは葉の裏で成虫で越冬しているので探してみよう。

キイロテントウ 仲良く越冬

黄色いハート型の模様があり、見つけたら幸せな気持ちになるカメムシ。

ミズキなどの葉上でよく見られる。母カメムシは卵を産んだ後も自分の体で卵を守り卵が孵化し幼虫になるまで守っている姿が癒される。

木の枝そっくりで動かないとなかなか見つからないので森の忍者と言われています。
食草のコナラやサクラの木で見られます。細くて長い脚(あし)は切れやすくピンチの時は切り離して逃げる事もあります。幼虫の時は脱皮を繰り返して再生する事ができますが、捕まえる時は脚を持たないように気を付けましょう。関東ではほとんどが雌で雄はまれに見つかる程度です。それでは数が減ってしまうと心配しますが、雄が居なくても大丈夫!単為生殖といって受精しなくても雌だけで卵を産むことができ子孫を増やす事ができるのです

5月から6月頃林の中のエゴノキの枝に、巻かれた葉っぱがぶら下がっているのを見かけることがあります。

これはエゴノキに作られるエゴツルクビオトシブミのゆりかごです。
このゆりかごは5月頃メスが2時間位かけて葉を巻いて作ります。
メスは巻いた葉の中に卵を1こ産卵し、孵化した幼虫はゆりかごの葉を食べて成長します
ゆりかごは幼虫にとって家と食料を兼ねた大切なものです。

ゆりかごはオトシブミの種類によって切り落とすものと、枝に付いたままのものがあります。
雌成虫の大きさは6ミリ位の極小昆虫ですが、小さい体で休みなく一生懸命ゆりかごの葉を巻く姿は感動ものです。  

落とし文とは・・・昔は面と向かって言えない思いを巻紙にしたため相手の傍に落とし気持ちを伝えたとの事で落とし文といわれる。オトシブミの揺籃も巻紙のように葉を巻いて作られる。


ゆりかご作りの最初の一歩 葉を切る
葉を巻いてゆりかご作成中
完成したゆりかご
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